いつもは候補者向けのコンテンツが多いですが、今回は自分自身が転職エージェントとして、仕事をどのようにやってきたか、というエージェントの方向けの記事です。
私自身は異業界から転職エージェントにキャリアチェンジをしました。そのため、始めは悩むことばかりでした。
自分自身と同じ悩みを持つ新人の転職エージェントの方に向けて、そんな私の転職エージェント1年目の経験について書きたいと思います。
パートナー企業のリクルーターへのインタビューで、「転職エージェントが企業リクルーター提案するうえで知っておくべきこと」というコンテンツがありました。
「エージェントとして、自分はどう付加価値を提案できるのか」をちょうど考えていたときだったので、記事を見ながら、試行錯誤した自分自身のエージェント1年目を振り返り、まとめておきたいと思います。
私自身もそうですが、リクルーターは日々、新規案件の獲得のため、企業の採用担当者への営業をしています。
その中で改めて理解しておかなくてはいけないと思った、リクルーターのコメントがありました。
- 企業のリクルーターも、転職エージェント出身の人が多く手の内はわかっていること。
- 多くの転職エージェントが提供できるサービスは、突き詰めれば同じで後は担当する個人の工夫でしか差別化はできないこと。
- 結局は、リクルーター自身が案件を担当するエージェントを信頼できるかどうか。
これらは自身も企業の採用活動を支援する上で忘れてはいけないポイントであると思いました。
企業のリクルーターも、転職エージェント出身の人が多く手の内はわかっている
エージェントは常に数十件の案件を同時進行しながら、優先順位をつけて案件紹介をしています。
その中であえて自社の案件を本当に注力しててくれるのかを、企業リクルーターは見ています。
経験が長く、業界で有名なリクルーターであれば、過去の実績ですぐ信頼もしやすいです。
一方でそういった経験、実績のないエージェントは、企業やポジションへの関心をアピールして、自分がこのポジションを担当する意味を説明しなくてはなりません。
私自身、エージェントになって1年半が経過してきたころから、案件が出ると企業リクルーターの方から連絡してもらえるようになり、信頼関係を築けるようになってきたことを少しづつ実感し始めました。
その頃には紹介実績を積み重ね、その企業のことチームのことを知っている(=毎回同じ基本的な説明をせずとも、採用の文脈や人物像を理解している)状況になっていました。
多くの転職エージェントが提供できるサービスは、突き詰めれば同じで後は担当する個人の工夫でしか差別化はできない
ただ振り返ると、ファーストコンタクトから信頼してもらえるということはありませんでした。
こうなるには、早くても1年-2年の関係構築が必要です。
とはいえ、転職エージェントの営業担当として、案件紹介をどこかで始めなくてはなりません。
特に最初の一年は、必死に既存顧客で回ってきた案件紹介に注力していました。
経験がなくてもできる一番の差別化要因は、その企業に注力してとにかく頑張って候補者を紹介することでした。
量を紹介しながら質を高め、”勉強させてもらう期間”でした。
経験者しか案件を担当できないかというと、必ずしもそうではありません。
需要と供給のバランスが合わないと、企業も採用活動をスムーズに進めることができません。
私はマーケ職ですが、EコマースマネジャーやSNSマーケなど業務内容がわかりやすいものや、マーケティングディレクターなど給与レンジが高いものは、案件を担当していても、初めのうちは競合他社のエージェントと差別化をすることができませんでした。
みんなが応募したい一流企業よりも、採用に苦戦しているTier 2、Tier 3の企業のニッチな募集や、
有名企業であっても、採用実績が無い新規のチームや新しいポジションを振り返るとメインに担当していました。
ここであれば、自分の能力でも戦えると思いました。
後々、様々なポジションをやりすぎて、自分自身の強みとなる領域ができておらず、後々苦労するのですが。苦笑
リクルーター自身が案件を担当するエージェントを信頼できるかどうか。
エージェントが積極的に紹介していない案件には、そうなっている理由があります。
ニッチな企業では、そもそも紹介を聞いてもらえなかったり、
人事担当者が無理な条件であることを理解しつつも採用活動をしていたり、
難易度が高かったり、コストがかかるため、どのエージェントも優先的にやっていない理由があります。
ただジュニアなエージェントでも戦える領域だったので、
採用担当者に話す段階で、自分がこのポジションをどうしてやりたいのか、その理由を自分自身が説明できるかどうかを自分自身の中における最低ラインとして置いていました。
企業やポジションの魅力をリサーチして、転職の希望に合う候補者へはご紹介するようにしていました。
合いそうな候補者に事前にアプローチしておき、候補者のプロフィール例として準備したり、
企業の状況や、競合他社の似たポジションの候補者とも話して、自身がその領域に関心があり、候補者のプールを持っています!と言えると、採用担当者に一番響きました。
そうしているうちに、企業との人事担当者との関係ができてきて、採用担当者である直属の上司となる人と話せたりすることで人材の解像度が上がったり、ポジションだけでなくその周辺の会社の採用状況も見えてくるようになりました。
候補者と話して、業界のことを知るか、
企業の求人紹介を受けて、候補者にアプローチするか、初めのうちは鶏卵なところがありました。
ただ回数を重ねるうちに同様のポジションも出てくるので、前にもこのポジションやったことあると自信を持てるようになってきて、自身の担当領域ができてきたことを実感し始めました。
最後に
結局は、エージェントになりたての初めのうちは地道な所から努力して実績をつけていく、という当たり前のことになってしまいますが、
振り返ってみると、他の仕事と同じですが、やっぱり紹介の実績を重ねないと人材紹介業は自信がつかない仕事であると思います。
ただ業界的に入れ替わりが激しいところもあるので、新規の企業リクルーターが入った時点で、ゼロから関係を作るというのも良いタイミングです。
特に入りたての企業リクルーターは、まともな引継ぎもなく、とにかく契約や実績のあるエージェントと話しながら良いパートナーを探しているケースが多いので、そのタイミングできっかけを作れるとスムーズです。
お役に立てば幸いです、ではー
コメント