給与アップを目指しての転職というのは、転職者のアンケート調査を見ていても上位に挙がる理由としてよく見ます。
求人サイトを見ていると、想定される給与レンジが書いてあります。
想定の年収を見ていると夢も広がりますよね。
求職者からの給与についての質問で一番多くいただくのが、
今回の記事のタイトルの「年収レンジの最高額でオファーがでますか?」という質問です。
結論を先に行ってしまうと、残念ながら、求人サイトの年収レンジいっぱいで出るのは稀です。
期待値的には、その金額で出るというと思わないのが無難です。
逆に下限の金額で必ず出るか、というとそういう訳でもなさそうです。
転職エージェント時代に伝えていた数字は以下の通りです。
- 現収入をベースに10%のUPが平均的
- 15−20%のアップはかなり成功した転職
- 25%UP等になってくると、それだけあなたを採用しなくてはいけない企業側の理由がある
転職活動ではどの程度の給与アップが見込めるのか、またどういったケースで実現できるのか見ていきたいと思います。
給与の現実
現実は、足元を見られて、現収入をベースに10%のUPが平均的と言われています。令和2年雇用動向調査結果の概況
もちろん年収アップが当たり前ではなく、選考の結果最終的に現年収を下回るオファーが出てくる可能性も十分にあります。
求人票記載の給与レンジは、想定している人物像の中で即戦力としてすぐ働いてもらえるケースから、ポテンシャル採用までを加味したレンジになっています。
もちろん求人を見た人に興味を持ってもらえるようにという採用側の意図もあります。
では、オファー年収はどのようにして決まるのでしょうか。
人事制度が整っている企業では、社内での公平感やバランスを保つため、職位ごとに決められた給与テーブルと呼ばれるものがあります。
職位、ジョブレベル、グレードなど、企業によってさまざまな呼び方がありますが、
その企業特有のそれぞれのレベルごとに年収のレンジというものがあります。
採用計画が決まった時点で想定されている職位に応じて予算が決まり、給与テーブルで決められている給与レンジがそのまま求人票の想定年収に反映されている場合が多いです。
現年収に加え、社内の給与テーブルを考慮したうえでのオファー提示となるため、大幅なアップは難しくなります。
給与テーブルに合わせて採用の予算を用意しているため、給与テーブルのレンジよりも高いのオファーを出すには、それなりの理由や更なる予算の確保が必要となります。
つまり、そうしてまであなたを採用したいと思わせると評価をされる必要があります。
一方で、給与テーブルが無い小規模の企業では、そういった制限に縛られず優秀な人材を確保しようと良いオファーオファーが出てくるケースもあります。
給与レンジの最高額で出ることはあるのか?
給与レンジの最高額に近い金額で出るのはどのようなケースかというと、
競合他社で全く同じ職務を担当しているなど、求人票記載の内容に100%以上フィットする場合だと給与レンジの後半近くの金額で出るケースが多いです。
特に需要が高まっており、獲得が難しいニッチな職務や新しいポジションなどでは、現年収ベースではなく、市場の相場でオファーが出るケースも少なくありません。
企業も同業他社の求人や年収帯をリサーチしているため、最高額をそのように設定しているケースも多くなります。
優秀なエージェントは企業の採用担当に対し、市場の給与額の相場を伝えているので、現年収をベースにした年収交渉ではうまくいかないことをインプットしてくれることもあります。
ここまでくるとかなり優秀なエージェントです。
給与レンジの満額出ないのは評価が低かったせい?
給与に関してよくある質問その2。
最終面接後、晴れてオファーが決まりオファー年収が出て驚かれます。
「どうして給与レンジでの満額でオファーがでなかったのか?評価が悪かった?」
こうした質問を頂く方の理解として多いのが、
選考での評価に点数があると仮定して、
100点の場合、最高額が出て、合格点60点の場合、最低ラインの年収が出る、
と考えられている方が多いです。
結論、上記の考え方でオファー金額を決める企業は、少数派だと思います。
上記の通り、減点方式で年収が決まるわけでは無く、面接プロセスの担当者の評価をもとに人事が職位に応じたオファーを出すためです。
評価が悪かったから、年収レンジ満額出ていないわけではないのでご安心ください。
オファーが出ている時点で、企業が評価をしていることは間違いありません。
面接を担当した現場メンバーの裁量で金額が決まるのではなく、人事が人事制度をもとに算出することで、社内の公平性が保たれる仕組みとなっています。
グローバルな大企業で人事制度が整っているほど、社内の給与テーブルを理由にされる印象です。
立ち上げ期のスタートアップ企業や中小企業では、そもそも給与テーブルがなく社長の一存に任されているような企業もあるようです。
年収の大幅アップにつながるケース
では、現年収ベースで大幅な年収アップにつながるのはどういったケースでしょうか。
一般的なのは、想定されていた業務よりも、より大きな責任範囲で仕事を任されるケースです。
現職よりも、よりシニアなポジションで採用となるケースもあります。
数字的に言うと15−20%のアップはかなり成功した転職と言えるでしょう。
一方で25%UP等になってくると、それだけあなたを採用しなくてはいけない企業側の理由があるケースがほとんどです。
日本に来たばかりの外資系企業や、社内の環境的にすぐの人員補填が必要なケースや定着率の悪さが続いている場合など、待遇で差別化しようとしている場合には注意が必要です。
もちろん企業との合意ができ、人材としての価値が認められ、想定のレンジを超える大幅な年収アップとなるケースもあります。
オファー金額だけで決めるのはリスキーです。
年収を捻出せねばならない背景がないか、業界のつながりでの情報やリクルーターに聞いてみるのも吉です。
年収の大幅アップには交渉が必要
企業もビジネスなので、候補者から希望金額を提示しない限り、どれだけあなたが評価されていたとしても企業から自動で予算満額のオファーが出てくることはありません。
交渉が必要です。
その点、エージェントの存在はありがたいです。
まずは自身の希望年収が相場に対して現実的かどうか、市場感を教えてもらえます。
加えて選考中の企業側の評価に応じて、どこまで強気の交渉ができるのかなど温度感を教えてくれます。
また、想定年収よりも高い候補者であったとしても、企業の人物像のニーズに応じてどれぐらい高めまで許容できるのか、企業側の予算感も握っているケースもあります。
その上で希望年収を提示し、最終的に企業側と条件をすり合わせることができます。
またエージェント側はあなたのような人材が転職市場において、希少な人材であればその分どれぐらいの価値があるのか客観的なインプットもしてくれます。
まとめ
まとめると
- 現収入をベースに10%のUPが平均的
- 15−20%のアップはかなり成功した転職
- 25%UP等になってくると、それだけあなたを採用しなくてはいけない企業側の理由がある
求人サイトの上限ギリギリでオファーが出るケースは少なく、現年収をもとに上乗せという形で最終的な年収が提示されます。
大幅な年収アップのオファー自動的に出てくるということはなく、そこには交渉が必要です。
その点でエージェントに第三者として入ってもらい、相場感や、企業の温度感の情報が入ってくるのはかなり有利です。
エージェントに頼り切るのはちょっと抵抗が…
という方には、エージェントとの求人サイトの併用がおすすめです。
エージェントを使うメリットについては、こちら
自身の転職における軸を明確にしつつ、適切な求人の情報が入って来るような環境を整えましょう。
結局は、自分自身の納得感が重要です。
オファーが出た際に提示された職務内容に対して、オファーとして最終的に提示される金額でモチベーションを持って働ける金額なのかもう一度考えてみましょう。
不満を持って入ると、結局定着せず企業にとっても求職者にとっても不幸です。
お役に立てば幸いです、ではー
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